がん克服、7年ぶりに球児指揮へ 船川監督
静岡高、浜松商高の監督、部長として5度の甲子園出場に導いた船川誠さん(62)=静岡市葵区=が同市に中学生を対象にした新たな硬式野球チームをつくる。監督に就任する船川さんにとって静岡市立高監督以来、7年ぶりの現場復帰。久々の指導に意欲を燃やしている。長い闘病生活から帰ってきた。10年前にすい臓がんを患い、「余命3カ月」と宣告された。幸い、静岡がんセンターで手術は成功したが、その後も腎臓、前立腺などにがんが見つかり、6年間で4度の手術を受けた。もう監督としてグラウンドに帰ってくることはないと思っていた。
静岡市立高で講師をしていた2010年秋、かつての教え子から中学生を対象にした硬式野球チームの設立を打診された。静岡市内の高校が甲子園に行っても市内出身者はごくわずか。地元から甲子園を目指せる子どもたちを増やそうという熱意からだった。
一度は固辞したが、昨秋に再度打診され、心が動いた。中学生の指導経験はなかったが、同年代の強化の必要性は感じていた。「中学生野球の世界大会は硬式。中学から硬式をやらせて、目を世界に向けさせたい」という思いもあった。
市内のグラウンドを借り、4月から始動する。将来的には、リトルシニアリーグかボーイズリーグに加盟する構想もある。5日から入団を希望する小学6年生を対象にした説明会と体験会を随時開催する。
船川監督プロフィール
経歴
1949年9月10日 | 静岡市にて出生 |
1965年 | 静岡市長田南中学校 卒業 |
1968年 | 静岡県立静岡高等学校 卒業 |
1972年 | 早稲田大学教育学部 卒業 |
1972年4月~1982年3月 | 静岡県立浜松商業高等学校 |
1982年4月~1993年3月 | 静岡県立静岡高等学校 |
1993年4月~2002年3月 | 静岡県立清水高等学校 |
2002年4月~2010年3月 | 静岡市立高等学校 |
2010年3月 | 退職 |
2010年4月~2011年3月 | 静岡市立高等学校非常勤講師 |
2011年4月~2012年3月 | 静岡市立高等学校定時制講師 |
高校野球戦歴
浜松商業高等学校 | |
1972年 | 第54回全国高等学校野球選手権静岡大会 準優勝 |
1975年 | 第57回全国高等学校野球選手権静岡大会 優勝 |
1980年 | 第62回全国高等学校野球選手権静岡大会 優勝 |
静岡高等学校 | |
1982年 | 第64回全国高等学校野球選手権静岡大会 優勝 |
1983年 | 第65回全国高等学校野球選手権静岡大会 準優勝 |
1987年 | 第69回全国高等学校野球選手権静岡大会 優勝 |
浜松商業高等学校 | |
1978年 | 第50回全国高等学校野球選抜甲子園大会 優勝 |
受賞
2006年7月 | 日本高等学校野球連盟・高等学校教育功労賞 |
