1月14日、今年度最後の体験会が草薙球場で行われました。
それに先がけ、静岡高校野球部OB会長 鈴木和幸さまがご来場くださいました。
これから高校野球を目指す中学生たちへのメッセージ。
みなさんのチームの監督の先輩にあたります。一生懸命野球をしていると聞いています。
野球に集中するということは、もう一つは別の土俵ですが勉強にも集中できる、その集中という言葉が野球には非常に必要です。1球1球に集中する。それを養うには、学校の授業中にもしっかり勉強に集中して、集中力を高める。それが野球にも生かされるということです。
みなさん、両方頑張って、静高へきて、ぜひ、甲子園を狙ってください。お願いします。
そして、望月淳監督との対談では、大変興味深いお話をお伺いすることができました。
その内容をここに公開いたします!
新春対談 静岡高校野球部OB会鈴木和幸会長・望月淳監督
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鈴木会長は大里中から、静岡高校野球部へ(90期)。1学年の同期生は8人。入学まもなくから朝は5時にお弁当を2つ持って出かけ、夜は23時に帰宅するという毎日に。それでも、一度始めたからには最後まで、の思いでやり遂げられたとおっしゃいます。
鈴木会長;その頃の練習は、今と違って、根性・精神を鍛える部分が多かったね。
望月監督:(監督は99期)僕の頃からスポーツ飲料が出始めたり、変化していくちょうど過渡期にあったように思う。当時は静高が野球で活躍している時代。中学時代に、とにかく入りたいの一心で、部活の練習が終わり22時に帰ったあと、24時のラジオを聴きながら必死に勉強したというのが今も思い出。
会長:OB会は、監督と選手が野球に集中できる環境づくりをする役割だと思っています。
監督自身も日々研鑽を重ねています。監督独自の野球観の実現を保証するということです。
また、OB会として、親へ話すのは子どもへの批判をしないでということです。
まず、子どもが失敗した時は、絶対に直接話さない。親に指摘されることが、子どもにとっては一番傷つくことだと思います。
もし、失敗について語り合いたいとすれば、「次に同じようなボールが来たらどうしたらいいと思う?」と聞いてあげてください。そうすれば、子どもなりに対策を考えます。それは一歩前進です。過去に戻るより大切なことですね。
選手は、自分たちの世代と比べて格段に野球が上手くなったなと感じます。全体練習では守備、バッティング、走塁などを徹底して行います。それに加えて、ウエイトトレーニングも導入しています。
監督:さて、JYでは創立当初より、根性論より、野球を楽しむ、つまり、率先して自分から学び取ることが重要だと考えています。自分から成長しようとすることが大事。指導者がお尻をたたいて頑張らせるのは簡単だけれど、それでは本当の成長は難しいと思います。
野球をこの学校で楽しみたい=エンジョイしたい、そこからの目標設定もあっていい。一方、強豪校を目指すのならば、早く自立して、目的意識を持っていくことが大切だと思います。
例えばピッチャーは自主的な練習メニューが多いのだけれど、自らの考えで取り組むようになってからの伸び率は相当大きいと実感しています。
それは勉強もそう。手段としての勉強。例えば「静高で甲子園に出たい」というモチベーションがあって、勉強を必死に頑張る。それを周りがやりなさいと言うのは違うよね。
この高校だからこそ、自分が精一杯力を出し切れる。そこを目指して頑張って欲しい。
会長:勉強の時は勉強に集中。野球の時は野球に集中。
野球には集中が大切です。
静高に入るなら、学力で県内310位に入ることを目標に勉強をするのが一番の近道ともいえます。
静岡高校は、努力次第で誰でもレギュラーになれます。また、軟式出身の子は、スタート地点では硬式出身にはかなわないという思いがある。負けたくないという強い思いが原動力になって、一年後になると追い越す立場になるということもあります。
(中学生の親向けにお話をお願いします)
監督:私は息子に接するのと同じ方法で指導しています。(※息子さんは大学でサッカーを頑張っています)
小さな時から「こうしたほうがいいのでは」というようなアドバイスをしたかったら、まずは本人の話を聞き、一番最後にこちらの意見を言うようにしています。今でも父にはよく話しかけてきます。
父と子は、スポーツをやっているのなら、それを題材に大いにコミュニケーションをとったほうがいいと思います。
親は子供のことを一番高く評価している存在なはず。だからいつも「あんたが一番だよ」といいながら聞き役になってあげる。
技術論にしても、色々な人の色々な指導を受けていい。高校生になったら、自分に合う方法を自分で取捨選択して、自分で決めて取り入れられるようになれば良いと思っています。
会長:(中学の父兄へ)
自分の子だけでなく、他のチームメイトにも、ベンチの外にいる子にも、聞こえる声で応援してあげてほしい。
全ての親から応援されているということ、それを子どもが感じ取り、やる気になります。そういう雰囲気の中では、たとえエースであっても天狗になるというようなこともないです。スター選手を育てるのが目的ではなく、人間を育てている。そういうことだと思います。
(完)
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鈴木会長様、望月監督、ありがとうございました。