パワーポイントを伸ばす


 この夏から、何組かの小学6年生が体験練習に来てくれています。
 中学生に混じって、まだ慣れない硬式ボールを使っての練習。最初は緊張感が伝わってきます。それは緊張します。小学生には遠慮はしてくれますが、全体で行われている練習そのものはいつも通りの真剣勝負ですから。けれど時間が経つにつれて、緊張感の中にも充実した表情が見て取れるようになります。この子は野球が好きなんだな、と嬉しく思うひとときです。
 
 JYの指導方針の一つに、「自分のパワーポイントを伸ばす」というものがあります。
 走る、打つ、投げる、守る、声を出す、野球をよく知っている、など、誰にでも「自分はこれが一番得意、一番好き」というものがあると思います。あるいは、指導者から見て、「ここはこの子の長所だな」という部分であったり。そこを、自分のパワーポイントとしてこの中学3年間で伸ばしていこうというものです。
 学校のテスト勉強は、どの教科も伸ばすことを目標に苦手分野を底上げすることに力を入れますね。一方野球は、どれも平均点なら良い選手になれる、というものではありません。中学時代には、良いところを伸ばしていく努力をし、培った「強み」をもって高校野球を目指す。その他のことは日々野球をしながら成長していく中で追って身についてくるものです。
 個々がパワーポイントを伸ばす努力をすることが、チームの力にもなる。チームは個人の成長とともに強くなっていきます。